上天草市の海の豊かさを守る―ブルーカーボンを活かした持続可能なまちづくり―
上天草市は、有明海と八代海に接し、豊かな自然と多様な海洋生態系に恵まれた地域です。市内には干潟や藻場、海藻群落などが広がり、これらは古くから漁業や観光の基盤として地域を支えてきた一方で、近年アマモ場をはじめとする藻場は全国的に減少傾向が見られ、天草地域においても各地で減少傾向にあります。
近年では、これらの海の自然が「ブルーカーボン」として注目されています。ブルーカーボンとは、海藻や海草、干潟などが大気中の二酸化炭素を吸収・固定する仕組みのことで、地球温暖化対策の新たな柱として世界的に関心が高まっています。
上天草市は、令和4年度にSDGsの達成に向けて優れた取組を提案する都市として、内閣府から「SDGs未来都市」及び「自治体SDGsモデル事業」に選定され、以来、環境保全と地域振興を両立させることを目的に、ブルーカーボン事業に取り組んでいます。
上天草市のブルーカーボンの取組
上天草市では、地域の海洋資源を守り育てるため、以下のようなブルーカーボン関連の取組を展開しています。
ブルーカーボンに関する基礎情報の整備
令和4年度に上天草市ブルーカーボン可能性検討事業を実施し、海そう等の分布調査、ブルーカーボン賦存量及びポテンシャルの調査、ブルーカーボン・オフセット認証の検討等の様々な調査を行っています。
また、この調査の結果を受け、市内団体がJブルークレジットにプロジェクト申請することで、ブルーカーボンクレジットの販売収益を得ることができ、活動の持続可能性が向上できることがわかったことから、上天草市におけるブルーカーボン量算定マニュアルを作成しました。
ブルーカーボン創出活動を行う団体への支援
アマモ場造成等のブルーカーボン創出の活動を行う団体に対して、各種の支援を行っています。具体的には、ブルーカーボン創出活動支援助成金の交付等の金銭面での支援、ブルーカーボン創出活動を行う団体の情報発信の支援、関係団体との連絡調整等の事務の支援、Jブルークレジットの認証申請にあたっての基礎情報の提供及び申請書作成の支援等を行っています。
これらの取組の結果、市内で活動を行う下記の団体が国や県が主催するアワードで受賞をいたしました。
〇上天草市釣りを軸にしたブルーツーリズム推進委員会
「くまもとSDGsアワード2024」SDGs未来づくり部門で入賞。
参考記事:
〇生命(いのち)の海プロジェクト
「サステナアワード2024」で環境大臣賞を受賞。
参考記事: 天草漁業協同組合などのアマモ場再生活動が「サステナアワード2024」で環境大臣賞を受賞しました!
小学生への環境教育
「生命(いのち)の海プロジェクト」の皆様のご協力のもと、未来を担う子どもたちに海の大切さを伝えるため、市内の一部の小学校でアマモ場造成を体験する特別授業を実施しています。
参考動画: アマモ場再生活動「生命の海プロジェクト」(「サステナアワード2024」環境大臣賞受賞動画)
海に特化した地域おこし協力隊の任用
アマモの造成や魚釣りを活用した地域振興など、上天草市の海を守り、海を活かす取組を行う地域おこし協力隊を任用しています。
参考記事: 釣りを仕事に!日本有数の釣りのメッカ熊本県上天草市でブルーツーリズムを創造!
企業・団体の皆様へーともに海の未来をつくるパートナーを募集しています
上天草市では、こうした取り組みに共感し、支援・連携を希望される企業・団体の皆様を歓迎しています。地域の課題解決と企業の社会的価値創出を両立する、持続可能なパートナーシップを築いていきたいと考えています。
企業版ふるさと納税による支援
地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)を活用することで、税制優遇を受けながら地域貢献ができます。
税額控除(最大6割) + 損金算入により、条件を満たせば実質負担は約1割まで抑えられます。寄附金は、ブルーカーボン関連事業や環境教育、地域振興に活用します。
詳細は下記の記事をご確認ください。
※各税目の控除上限があります。
※本社所在自治体への寄附は対象外です。
企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)による寄附を募集します
※寄附申出書の「寄附を希望する事業」にて「上天草市に住みたくなる事業」または「具体的に相談したい」をご選択ください。
官民連携による協働
技術提供、人材派遣、共同研究、広報支援など、企業の強みを活かした多様な連携が可能です。CSRやSDGsの取り組みとしても高い評価を得られます。詳しくはお問合せください。オンラインでの意見交換等も可能です。
<企業のメリット>
- SDGs・脱炭素経営への貢献
- 地域との信頼関係構築
- 社会的評価・ブランド価値の向上
<これまでの連携事例>
(1) 株式会社NTTデータと連携し、「海そうのCO2吸収量を算定する実証事業」を実施しました。
本実証では、上天草市のアマモ場において、株式会社NTTデータがドローンの空撮画像を分析し、NTTデータ経営研究所がアマモのCO2吸収量を定量的に算定・評価しました。分析の結果、アマモのCO2吸収量とともに実測の重要性が明らかになりました。
参考記事: 海そうのCO2吸収量を算定する実証事業を実施〜熊本県上天草市のアマモ場をドローン空撮画像で分析〜
(2) ウミトロン株式会社及びENEOS株式会社と連携し、「カーボンニュートラルを目指す自治体と民間企業とのマッチングに向けたブルーカーボンのポテンシャル評価事業実証」を実施しました。
「課題解決に向けた先進的な衛星リモートセンシングデータ利用モデル実証プロジェクト」(内閣府 宇宙開発戦略推進事務局)に、ウミトロン株式会社及びENEOS株式会社と共同申請し、採択を受け、実施した取組です。
上天草市では2050年のカーボンニュートラル達成に向けて、温室効果ガスの排出量・森林吸収等の分析をすすめる中で、沿岸の藻類を活用したブルーカーボンの活用を検討していることから、衛星データを活用してブルーカーボン蓄積量及びポテンシャルを評価する実証事業を行いました。
参考:
お問い合わせ・ご相談はこちら
この取り組みにご関心のある企業・団体の皆様は、ぜひお気軽にご相談ください。ご寄附や連携のご提案、現地視察のご希望なども随時受け付けております。
- 担当課:上天草市 企画政策部 企画政策課 地方創生係
- 電話番号: 0964-26-5539
追加情報
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